時は元禄、江戸は吉原遊郭を始め、空前の繁栄を享楽していた。だが、平家の落人の里である合掌造りの集落は深い雪に埋もれて、江戸の繁栄とは無縁であった。時代に取り残され、言い伝えの習わしに村は支配されていた。
年の瀬を迎えようとしていたころのことであった。合掌造りの集落は深い雪に埋もれていた。豪雪地帯の村は平家の落人の里であった。
毎年正月に村で一番美しい生娘を龍神様に生贄として捧げる習わしだった。生贄の生娘が龍神様の一物を満足させないと村には恐ろしい祟りがあると信じられてきた。
ここ数年、集落は深刻な災害が続いていた。庄屋たちは平家の高貴な血筋で『神がかり的に美しい姫』イザナミを淫龍王の生贄に差しだそうとしていたのだった……。