NET WORK PUBLISHING

十年前神隠しにあった過去を持つ１７歳の香椎聖心。父親の事業の失敗で再びその地に行かなければならなくなった。しかし彼にはその時の記憶が一切ない。後から生まれた兄弟と共にその地で暮らし始めるのだが、忌まわしい風習に彼らは知らず知らず巻き込まれていくのだった……。

『作者挨拶』はじめまして。今回は今と昔を繋ぐ物語と言いましょうか。その地に生まれた人たちの定めみたいなものを書きたくて話を考えました。楽しんでいただければ幸いです。

篠田家の一人娘・寧々は、ある日偶然にも使用人同士の逢瀬を目撃してしまう。 それは自分が目をかけていた使用人・美波だった。 庭師の青年と交わる美波を見て羨むのではなく、逆に美波を汚されたくない。 むしろ自分が汚したいと思うようになる。 だからわざと美波を配置転換させて自分付きのメイドにした。 何かにつけて難癖をつけて美波をいたぶってみる。 使用人と言う立場から愚痴はこぼさずにただひたすら誠意を見せてくる美波。 それがまた癪に障って飼い犬に格下げしてしまう。 自分の部屋の中でしか行動出来ない飼い犬。最小限の衣服を身につけさせて尻に尻尾を付けさせる。四つん這いの姿勢でしか移動を認めずに偽物の男を突っ込んで相手が羞恥する姿を見ると興奮を覚えた。寧々は恥ずかしがる美波に色々なことをさせて満足を覚え、最後には美波の口から終身お仕えいたしますと言う言葉を聞き取ると、やっと気持ちが晴れやかになった。