同性しか愛せない安藤は会社の後輩の倉田に想いを告げる。応えてくれると思った彼は、時間が欲しいと告げた。しかし、その夜、安藤の前に現れた倉田は、「あんたなんか知らない」と告げる。倉田は嘘をついているのか? それともそっくりな別人なのか。倉田の抱えている秘密を追ううちに、安藤は思いもかけない彼の苦しみを知ってしまう……。
「――そこ」
倉田くんが体をよじった。
「え? いやかい?」
てのひらに当たる胸の蕾をいじっているだけだ。
「そんなことしなくても……。しないで……」
「僕は君を気持ちよくさせてあげたいんだ……。いいから任せてよ」
「でも俺そんなの――しらない」