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どうしてあなただったのか。どうしてあたしだったのか。 愛しただけだったのに。 惹かれ合っただけだったのに。 何の柵も無くただあなたと抱き合いたかった――

娼婦である母を持つ美奈は、自分を律する事で自尊心を保ち続けてきた。それを突き崩す存在が現れた時、大きな不安と同時に、美奈は恋の歓喜を知った。 カズマ。 生まれて初めて恋をした相手は、母の愛人の息子だった――――

純粋過ぎる恋は、やがて愛憎の迷路へと少女を誘う。 自らの生い立ちに劣等感を抱きつつ、必死に未来を模索した美奈の切ない恋の物語。

アリーナは母の再婚で十三の時に新しい家族ができた。けれど義兄となったデインとの関係は最初から巧くいかなかった。執拗に辛辣にいわれなき罪を責められる日々をじっと耐え忍んでいたが、ある日そのデインから無理矢理キスをされてしまう。呆然とするアリーナに、デインが放った言葉は「売女」。打ちのめされたアリーナはデインから逃れるようにして、大学進学をきっかけに故郷を飛び出した。 進学先のＮＹでは、ノーラとレオという二人の親友にも恵まれ、順風満帆の生活を送っていた。ところがある日、母から強引に呼び戻されたのは、ハロウィンパーティーで……。 大嫌い。こんなにも憎んでいるのに、どうして彼を見て、わたしの身体は震えるんだろう……！？　素直になれない、すれ違う二人の切ない恋物語。